「事業主貸」と「事業主借」とは??具体例を複数紹介

経理事務
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「事業主貸」と「事業主借」の意味・使い方がわからない方必見!

事業主貸と事業主借を聞いても全くわからない方もいるのではないでしょうか。

簿記の勉強をしていても出てこないので、わからないのも仕方ありません。

この記事では、以下のことについて説明しています。

  • 事業主貸と事業主借を使う理由
  • 事業主貸と事業主借とは
  • 事業主貸と事業主借の覚え方
  • 事業主貸と事業主借の具体的な使い方【仕訳付き】

この記事を読めば、今まで悩んでいた事業主貸と事業主借で迷うことはなくなるでしょう。

事業主貸と事業主借を使う理由

「事業主貸」と「事業主借」を使う理由は、事業用の口座を管理する必要があるためです。

個人事業主は、基本的には事業用の口座と家庭用の口座を分けて使います。

しかし、事業用の口座と家庭用の口座を完全に分けることができない場合もあります。

そのようなときに使用する勘定科目が「事業主貸じぎょうぬしかし」と「事業主借じぎょうぬしかり」ということです。

事業主貸とは

事業主貸は個人事業者が使用する勘定科目の1つです。

事業主貸は事業用の資金を事業主に貸しているというイメージを持ってもらえれば十分です。

貸付金のような資産のイメージを持つとわかりやすいです。

事業主貸を使用するのは以下のような場合です。

  • 家庭用資金から支払うべきはずのものを事業用資金から支払う場合
  • 家庭用資金が少ないため事業用資金を家庭用資金に移す場合

具体的な使用例を確認したい方は以下を参考にして下さい。
→具体的な使用例はこちら

事業主借とは

事業主借は個人事業者が使用する勘定科目の1つです。

事業主借は事業用の資金を事業主から借りているというイメージを持ってもらえれば十分です。

借入金のような負債のイメージを持つとわかりやすいです。

事業主借を使用するのは以下のような場合です。

  • 事業用資金から支払うべきはずのものを家庭用資金から支払う場合
  • 事業用資金が少ないため家庭用資金を事業用資金に移す場合
  • 事業と関係のない収入の入金があった場合

具体的な使用例を確認したい方は以下を参考にして下さい。
→具体例な使用例はこちら

事業主貸と事業主借の覚え方

事業主貸と事業主借の意味を理解しても時間が経てば、どっちがどっちかわからなくなってしまいます。

そんなときに思い出すことが出来るように事業主貸と事業主借の覚え方を紹介しておきます。

事業主貸は、事業主(に資金を)貸(している)で覚えましょう。
→貸付金のイメージから資産をイメージして基本的には借方で使用すると推測できます。

事業主借は、事業主(に資金を)借(りている)で覚えましょう。
→借入金のイメージから負債をイメージして基本的には貸方で使用すると推測できます。

法人には事業主貸と事業主借はない

事業主貸と事業主借は、個人事業主のみが使用する勘定科目であるので、法人が使用することはありません

法人である株式会社〇〇や有限会社〇〇などでは事業主貸や事業主借勘定を使用することはありませんので注意しましょう。

事業主貸の使い方

事業主貸の具体的な使い方を紹介していきますので、具体例を見て使い方になれていきましょう!

注意しておきたいポイントとしては、生活などプライベートに関する支出や経費とならない支出を事業用資金以外である家庭用口座などから支払った場合には、事業主貸を使う必要もなく、仕訳をきる必要がないということです。

所得税や住民税1,000円の支払いが事業用口座であった場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
事業主貸1,000普通預金1,000

所得税や住民税は必要経費とはなりませんので、費用計上することができません。

そのようなときにも事業主貸で処理をします。

事業税や消費税は経費となるので混同しないようにしておきましょう。

事業用口座から家庭用口座へ1,000円の振り込みがあった場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
事業主貸1,000普通預金1,000

想像しやすく頻繁に使うことがあるパターンです。

事業主貸に関しては、ひとまずはこちらのパターンだけでもマスターしておきましょう。

家庭用口座から事業用口座への振り込みを事業主借で処理する場合とセットで確認しておきましょう。

生活やプライベートに関する1,000円の支払いが事業用口座であった場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
事業主貸1,000普通預金1,000

生活の支出やプライベートに関する支払いを事業用口座から支払った場合にも事業主貸で処理をします。

事業で使用していない車両費用1,000円支払いが事業用口座であった場合も同様です。

事業で使用していないということはプライベートに関する支払いということになります。

車関係で事業主貸を使用することがあるので、以下の仕訳の記事を紹介しておきます。

国民年金、健康保険、生命保険、地震保険、ふるさと納税、iDeCoや小規模共済の掛金などの支払い1,000円が事業用口座であった場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
事業主貸1,000普通預金1,000

所得控除として所得税を減らす役割がある生命保険料などは、経費とならないため事業主貸とします。

所得税が経費としても減額された上に、所得控除としても減額されると二重に減額されることになるので経費にできないという仕組みです。

事業主借の使い方

事業主借の具体的な使い方を紹介していきますので、具体例を見て使い方になれていきましょう!

注意しておきたいポイントとしては、事業と関係のない収入があったときに家庭用口座などで受け取った場合には、事業主借を使う必要はありません。

家庭用口座から事業用口座への1,000円の振り込みがあった場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
普通預金1,000事業主借1,000

想像しやすく頻繁に使うことがあるパターンです。事業主借に関しては、ひとまずはこちらのパターンだけでもマスターしておきましょう。

事業用口座から家庭用口座への振り込みを事業主貸で処理する場合とセットで確認しておきましょう。

利息1,000円の入金が事業用口座であった場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
普通預金1,000事業主借1,000

利息の入金は事業と関係のない収入(事業所得とならない)であるので受取利息などとはせずに事業主借で処理をします。

ポイント還元として1,000円の入金が事業用口座であった場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
普通預金1,000事業主借1,000

ポイント還元も利息の入金と同じように事業と関係のない収入であることから事業主借で処理をします。

事業主貸 事業主借 まとめ

事業主貸と事業主借を使うのは、事業用の口座を管理する必要があるためです。

事業主貸は事業用の資金を事業主に貸している、 事業主借は事業用の資金を事業主から借りているというイメージを持ちましょう。

事業主貸と事業主借は、個人事業主のみが使用する勘定科目であり、法人では使用しません。

具体的な使用例を確認しながら事業主貸と事業主借の使い方をマスターしましょう!



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