租税公課では危険!切手代の勘定科目には通信費を使用すること 

切手代の仕訳 経理事務
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切手代に勘定科目「租税公課」を使用している方はいませんか。

切手代の勘定科目に「租税公課」を使用している人がいれば、危険なのでこれからは勘定科目「通信費」を使用するようにしましょう。

切手代と収入印紙代は似ているので、勘違いしてしまいやすいですよね。

この記事では、切手代の処理について原則的な会計処理と特例的な会計処理とそれぞれ具体的な仕訳と消費税区分を合わせて紹介しています。最後までご覧ください。

切手代の勘定科目とは

切手代の勘定科目として使用するのは、一般的には「通信費」と「貯蔵品」の2つとなります。

収入印紙代である場合に使用する勘定科目の「租税公課」を切手代の勘定科目として使用しないように注意しておきましょう。

租税公課を使用してしまうと消費税区分を変更する必要があるので、誤った消費税区分が選択される可能性が増えてしまいます。

切手代の経理方法には原則的な会計処理と特例的な会計処理の2種類があるので、それぞれ紹介していきます。

特例的な会計処理の方法

切手を使用した都度経費にする会計処理は事務負担が多くなってしまいます。事務負担を軽減させるために、購入時にまとめて経費で処理する特例的な会計処理が認められています。

実務上は、購入時に経費で処理する特例の方法が使用されています。

特例的な会計処理を行うためには、以下の2つの条件があるので注意しておきましょう。

特例的な会計処理を行う条件
  • 切手を購入した者が使用する目的で購入すること
  • 継続的に購入時に経費とする処理を行うこと

原則的な会計処理の方法

原則的な会計処理では、切手を購入したときには切手を資産として計上し、切手を使用した都度経費にします。

切手を使用した都度経費にする必要があるので、事務負担が多くなってしまうため、実務上あまり使用されていません

切手代の勘定科目(特例)

切手代の特例的な会計処理を使用する場合について、以下の時点での仕訳をそれぞれ紹介していきます。

各時点の仕訳
  • 切手購入時
  • 切手使用時
  • 決算時

切手購入時

借方科目借方金額貸方科目貸方金額消費税区分
(通信費)500(現金)500課税仕入
切手を現金500円で購入した場合

特例的な会計処理をする場合には、切手購入時に勘定科目「通信費」を使用してまとめて経費計上します。

特例の場合には、購入時に未使用分も含めて全額を経費に計上できるということになります。

切手使用時

借方科目借方金額貸方科目貸方金額消費税区分
処理なし
切手を200円分使用した場合

特例的な会計処理を使用する場合には、切手使用時には処理が必要ありません

切手使用時に処理が必要ないので事務的負担が軽減されることになります。

決算時

借方科目借方金額貸方科目貸方金額消費税区分
処理なし
決算時に未使用の切手300円分がある場合

未使用の消耗品は通常、決算時に貯蔵品に振替仕訳をする必要がありますが、切手を継続的に使用する場合は、振替仕訳の必要がありません。

※決算時に残っている未使用分が少なく、決算後1年以内に使用することが条件です。

切手代の勘定科目(原則)

切手代の原則的な会計処理を使用する場合について、以下の時点での仕訳をそれぞれ紹介していきます。

各時点の仕訳
  • 切手購入時
  • 切手使用時
  • 決算時

切手購入時

借方科目借方金額貸方科目貸方金額消費税区分
(貯蔵品)500(現金)500不課税仕入
切手を現金500円で購入した場合

原則を使用する場合には、切手購入時に勘定科目「貯蔵品」を使用することによって未使用分を資産として計上します。

原則の場合には、このタイミングでは経費にはなっていないということになります。

切手使用時

借方科目借方金額貸方科目貸方金額消費税区分
(通信費)200(貯蔵品)200課税仕入
切手を200円分使用した場合

原則を使用する場合には、切手使用時に処理が必要になってきます。

購入時に未使用分として資産に計上した「貯蔵品」のうち使用分を「通信費」に振り替えるというものです。

原則の場合には、このタイミングで経費として認められることになります。

決算時

借方科目借方金額貸方科目貸方金額消費税区分
処理なし
決算時に未使用の切手300円分がある場合

原則の場合には、未使用の消耗品は「貯蔵品」に計上されているため決算時の処理は必要ありません

節税のために切手を多く買いためておくと・・・

一度にたくさんの切手を購入し、まとめて経費に計上することによって利益を圧縮しようとする方法を思いついた方もいるかも知れません。

今後使用する切手であるので、無駄のない節税方法であると思うかも知れませんが、この方法は禁止されています。

決算時に未使用の切手が多く残っている場合決算後1年以内に使用しないような切手がある場合には、経費に計上した「通信費」を「貯蔵品」に変更する振替仕訳を行う必要があります。

切手の大量購入は税務調査で疑われることが多いので、経費を多く見せかけるために切手を大量購入するのはやめておきましょう。

切手が不要の後納郵便がおすすめ

後納郵便を利用すると1ヶ月に送った郵便をまとめて翌月に支払うことができます。後納郵便を利用すれば、以下の4つのメリットがあるので紹介していきます。

後納郵便を利用するメリット
  • 切手代の処理が月1回で済むので経理負担軽減
  • 切手の購入・貼付が不要
  • 支払は振込・引落であるので事務負担が軽減
  • 条件を満たせば月間割引がある

後納郵便を利用するには以下の条件がありますが、メリットも大きいのでぜひ検討してみてください。

料金後納 – 日本郵便 (japanpost.jp)

後納郵便を利用する条件
  • 便物と荷物を合わせて毎月50通(個)以上あること
  • 事前に取り扱い郵便局の承認を受けること
  • 一カ月間に差し出す郵便物・荷物の料金等の概算額の2倍以上に相当する額の担保を提供

切手代の勘定科目 まとめ

切手代の経理方法には原則的な会計処理と特例的な会計処理の2種類がありますが、実務上使用されるのは、特例的な会計処理が多いです。

特例的な会計処理を使用することによって、事務負担を軽減させることができます。

切手を購入した者が使用する目的で購入し、継続的に購入時に経費とする処理を行うこととしている場合には、購入時に「通信費」として経費に計上するのみとなります。

収入印紙代である場合に使用する勘定科目の「租税公課」を切手代の勘定科目として使用しないように注意しておきましょう。

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